*写真は許可を得て撮影
家事を済ませ午後から「ギャラリーやなせ」さんへ。以前銀座でのグループ展へお邪魔したことがある漆作家・佐藤智洋さんの初個展。横須賀出身で横須賀に工房を構える佐藤さんの初個展が京都、しかもさほど遠くない場所で行われるというのも不思議なご縁。バスを今出川浄福寺で降りて、浄福寺通りを北へ。寺之内通を渡り知恵光院通をさらに北へ。途中西へ道をそれて狭い路地の東側、まだ昔の面影を残している一角に、ギャラリーはあった。聞くところによると100年ほどの家屋をリノベーションしたとか。設計は中村好文さん。なるほど。古い家屋の持つ良さは残しつつ、ギャラリーとしての明るさ、開放感、が実現されている。
そのギャラリーに佐藤さんの力作が並ぶ。以前拝見したときよりさらに腕を上げられたのではないだろうか。尺を超える大きなお盆や捏鉢に、箸置きやスプーン、お箸など小さなものも並ぶ。生地を買い求めて仕上げるもの以外に、生地から手がけるものも増やして行きたいとおっしゃっていた。今回の展示でもスプーンやトレーなどいくつかの作品は生地から手がけたもの。私も東京で数年漆をかじったので作業工程の多さなど手間のかかる漆の仕事内容は理解している。その作業だけでも大仕事なのに、さらに生地から自分でというのは… その大変さも愛おしく、スプーンを二つ買い求める。
会津での漆掻きの様子などもiPadで見せていただく。想像以上にたいへんな作業。樹木にも精通していないと出来ないこと。木にも感謝をし、大事に使わせていただこう。
【佐藤智洋 漆 展】
2017年6月3日(土)〜12日(月)
12時〜18時・会期中無休・作家全日在廊
ギャラリーやなせ にて