「学会」と名がつくととても敷居が高そうである。しかし「茶の湯文化学会」は会員の資格制限を設けておらず会費を納めれば誰でも入会可能。数年前の新聞記事でこの学会の存在を遅まきながら知り入会した。 東京、静岡、名古屋、近畿、高知、北陸、金沢の各支部で例会(研究発表)が行われる他、年に一度の大会(研究発表、総会、シンポジウム、懇親会等)そして研修旅行が行われている。今年の大会は京都。その上ご近所の同志社大学今出川キャンパス。昨年(@名古屋)はフランス行きと重なり、参加できなかったのでその分も楽しみに伺う。誰でも入会可能な学会なれど、発表はその分野のスペシャリスト。毎回興味深い内容で聞き漏らしてはなるまじ!
大会の詳細については茶の湯文化学会HPにて。
後半のシンポジウム、パネリストのお一人、農学博士の白幡洋三郎先生(国際日本文化研究センター名誉教授)のお話の中でイギリスの「ランドスケープガーデン」(landscape garden/風景式庭園)と日本の大名庭園「回遊式庭園」が18世紀、ほぼ同時期に発生したということを知る。それまでフランスやイギリスでは、ヴェルサイユの宮殿などに見るように平らで幾何学的・人工的だった(regular garden/整形式庭園)。そしてその庭は建物の中から見ることが前提。それが、起伏に富んで自然を映したものに変わり歩きながら景色を楽しむようになった。それにより絵画の飾り方(展示方法)も変わっていったというお話も面白かった。壁一面を埋め尽くすように絵画が並べられていたものが、歩きながらひとつひとつを鑑賞するように横一列に飾られるようになったということ(=プロムナード)。なおイギリスで「ランドスケープガーデン」が造られるようになった大きなきっかけは裕福な貴族の子弟が行った「グランドツアー」(Grand Tour)。代表的な行き先は「イタリア」、そこで見た庭園を模したのが始まりだったそうだ。
白幡洋三郎先生のお話を拝聴してますます庭に興味が募る。先生のご著書もぜひ拝読してみよう。日本の庭園に興味が持てずドイツに留学したのに、「枯山水」など日本庭園について質問ぜめでその上発表もしなくてはならない状況になり、それが日本庭園の研究を含め、東西の文化の違いに研究の重心を移していくきっかけだったそうだ。質問してくださったドイツの皆様、ありがとうございます!(笑)
たくさんの新しい興味の種が私の中にも撒かれた。しっかり育てていこう。ここに記して実行を誓う。さて、我が家の庭。うれしいことに白糸草が数を順調に増やしている。