Photos by Yagi
昨年は荒れに荒れたお天気で、巷では某国営放送が大々的な番組を組んだせいでと囁かれている(笑)、遠路はるばるのゲストも迎えていたたため、大いに気を揉んだ送り火であったが、今年は星空のもと憂のない点火と相成った。去年のこともありその上近くの工事現場に大きなクレーンも立っているので(ただしこのクレーン、くびを下げてくださっていたし我が家からはまったく問題にならなかった)今年は、すでに何度も送り火を見ている琵琶湖の辺りに住むAさん夫妻のみをお誘いしての、こじんまりとした送り火フェスタとした。
大文字は午後8時の点火。それまでAさんお持たせの美味しい泡やお料理に舌鼓を打つ。点火目前に絶好の観覧場所、二階のベランダにグラスを手に出る。点火と同時に鐘の音も聞こえ、いつにも増して綺麗な大の字が夜空に浮かび上がる。轟々と燃え盛る様子もさることながら、消えていく風情も何とも言えない。今年は殊の外余韻が長く“良いワインの様な”送り火であった。
それぞれに様々な思いを心に秘めて見る送り火。これほどの行事が、いつ誰の手によって始められたのか定かではない、というのも不思議な話だ。でも、謎めいているのもまた、いいものである。