灯心会40周年記念茶会(2021.11.23 Tue.)

昨日の荒れたお天気が一転、気持ち良く青空が広がった勤労感謝の日。ぴりっとした空気の中、水無瀬神宮を目指す。重要文化財「灯心亭」茶室を保存するために発足された「灯心会」の40周年記念茶会へ寄せていただいた。お濃茶席とお薄席、そして点心席もあり。お席でご一緒になった方が「点心付きのお茶会なんて本当に久しぶり」としみじみとそして笑顔で話されていた。本当に!時節柄、濃茶は各服点て。各服で点てるのは難しくお稽古でも四苦八苦している。しかし本日のお濃茶は各服点てにもかかわらず、見事なもので心から美味しくいただきました。二条駿河屋さんの「相生きんとん」もまことに美味。池下先生のお手前も眼福でございました。お道具もしかり。(一席の人数を少なくしてしているため、一席当たりの時間は通常よりも短いものの)お正客様が上手にお話を引き出してくださり、お道具の謂れなどもよく理解でき、ゆったりと感じられる。お薄席は古曽部焼窯元。流儀の違いもありがらっと趣が変わる。窯元のお話も興味深く、こちらもまた楽しいお席。窯元は“永樂保全の研究にも熱心で著書も出版されている”と何かで拝見した。本日のお席、お正客の菓子鉢はその永楽保全。状態もよくすばらしいお器でした。その後、三友居さんのお点心を、照り葉の下でおいしくいただき、記念品*も受け取って終了。「灯心亭」を見学してお参りを済ませ帰路に着く。少しづつ常の姿に戻りつつあるお茶の世界ですが、まだまだ油断できず、ご準備や当日の差配にも一層のご苦心があったことと拝察申し上げます。そんな中、すばらしい時間を過ごさせていただき、まことにありがとうございました。

*水無瀬神宮の敷地の土も使われているお花入。お作は古曽部焼窯元寒川義崇氏