干し柿(2023.01.15 Sun.)

小正月。こちらでは昔のまま松の内も本日まで。そして今日はご近所のTちゃんのお誕生日でもある。祝・二桁! 私は三桁を目指そう(笑)そのTちゃんが昨日干し柿を持ってきてくれた。やったー。先日頂戴して美味しかった干し柿。なんと今回は2種類。「食べ比べてみて」とのお達し。さっそく本日食べ比べと相成った。もぐもぐ。固くしまったものととても柔らかいものと、それぞれに個性がありどちらも美味しい。それにしてもなぜ渋柿を干すと甘くなるのだろう。今更ながら調べてみた。まずは柿の基本情報から。

・柿(Diospyros kaki Thunb.)はカキノキ科(Ebenaceae)カキノキ属(Diospyros属)に分類される中国原産の温帯性落葉果樹
・柿果実中にはタンニン細胞と呼ばれる特殊な細胞があり、この細胞に可溶性タンニンが高濃度で蓄積されるため一般に柿果実は強い渋味を呈する
・品種によって果実の成熟に伴って樹上で自然に渋味を消失するもの→甘柿
・成熟しても強い渋味が残るもの→渋柿
=以上、日本食品科学工学会誌/シリーズ─研究小集会(第24 回)果汁部会 “柿の起源と品種分化” 神崎真哉/近畿大学農学部 参照=

そして、渋柿を干したりアルコールにつけたりすると渋が抜ける(=渋みを感じなくなる)のはずばり「タンニンを可溶性から不溶性にする」から。どの方法もアセトアルデヒドを発生させ、それがタンニンに結合することでタンニンが不溶性になる、そうだ。干柿は皮を剥いて干すことでアセトアルデヒドが発生する、とのこと。しかしなぜアセトアルデヒドとタンニンが結合するとタンニンが不溶性になるのだろう。さらなる疑問が湧く。答えは「大きな分子になる」ということ、らしい。それにしても昔の人の知恵はすごい。

“柿タンニンの特徴
 タンニンはお茶のカテキンの仲間の化合物。タンパクと結合するので、舌の味を感じる「味蕾」のタンパク質に可溶性タンニンが水に溶けてくっついて渋味を感じる。紙などの大きい分子にタンニンはくっつきやすいので、紙に渋をぬって傘をつくる。
アルコール脱渋の際には、タンニンの水酸基OHの間にアセトアルデヒドが入り込んで大きな分子になり、不溶性タンニンになる。水に溶けない「不溶性タンニン」ならば渋く感じない。これが脱渋のメカニズムである。”
=“”内 くらしとバイオプラザ21 第2回医食同源バイオカフェ「身体によい柿の話、あれこれ」より抜粋=