一度は足を運んでみたいと思っていた佐川美術館へ。京都へ越してきて近くなったのだからと思いつつなかなか腰が上がらなかった。そんなところへ友人からチケットをもらう。よしっ。この機を逃してなるまいぞ!とすぐにお茶室の見学予約。車でないと少々不便とお聞きしていたけれど、さにあらず。恐らく公共交通に慣れているのと、毎年旅するイタリアでも列車とバスの旅で、それに比べれば、というところもあるのかもしれないけれど(笑)
行きはJR琵琶湖線を使い守山へ。そこからバス。帰りは美術館からバスでJR堅田駅へ出て、JR湖西線で京都へ戻った。堅田駅の方が近く、琵琶湖大橋も通るルートで眺めもいい。さらにバスがICカード利用可能でした。
美術館到着後まずはカフェで腹ごしらえ。小川珈琲さんの運営のようです。やぎはお蕎麦のセット、私はお蕎麦単品、それにビール。目の敵にしているスーパードライでも頼んでしまうのがノンベの証し。瓶だからと言い訳しつつ(笑)目の前に広がる光景は気持ちがいいし、テーブルもゆったり配置は好印象。テーブルと椅子にはもう少しがんばって欲しいところ。
お腹も満たされたところで展示をゆっくり見る。まずは樂吉左衞門館から。開催中の展示会「吉左衞門X 暗闇の音 静寂の光」を面白く見る。その後、平山郁夫館、佐藤忠良館を廻り、カフェでブレイク。そして最後に一番のお楽しみ、事前に申し込んだ3時からのお茶室見学。入館料とは別途@千円はなかなか強気(笑)約30分間のガイドツアー。
何年か前にこのお茶室制作のドキュメンタリーを観た。その後、楽さんご自身からお茶室設計のお話を伺う機会もあり、この目で実際に見るのをとても楽しみにしていた。楽さんのお茶碗同様、ぱっと見た目には斬新で大胆に映るけれど、その空間に身体を委ねると、細やかで基本の美しさは微塵も失われていないことに気付く。現代の孤篷庵、とでも言えるだろうか。とにかく二人とも大いに気に入る。今の季節は浮島に葦と蒲の姿がなく、水の中に立つ、ちょっと剽軽な「蝦夷鹿」(佐藤忠良作)や、道路を往来する車などが見えているけれど、もう少しすると背丈ほど伸びて、お茶室から見えるのは比叡山の稜線だけだそうだ(以前はこれも見えない程、葦と蒲が背を伸ばしたそうですが、最近は少し成長が弱まっているとか)。そんな季節にまた訪れたい。できればお茶会で再訪したいものです。