トゥールーズ“薔薇色の街”(2023.09.30 Sat.)

4年間のブランクを取り戻すべく、今年は2度目のオーバーシーズ。実現するまでにはいろいろあったのですがそれは後述するとしてまずは旅の日記。パリのシャルルドゴール空港から国内線に乗り換えて9月26日(火)トゥールーズ Toulouse着。街は活気に溢れている。危ない雰囲気はひとつもない。4泊5日の間、いやなことも危ない目もまったくなかった。

この街には常設のマルシェが三つ。Marché Victor Hugo/Marché des Carmes/Marché Couvert Saint-Cyprien、それぞれに個性があって面白い。Marché Victor Hugoは2階にレストランが並んでいる。ミュンヘン在住の日本人ビスネスマン2人や英国紳士と隣り合い、楽しくお喋り。英国紳士の「僕たち勝っちゃって悪かったねぇ」には笑顔で、次は勝たせていただきます、と答えた(笑)Marché Couvert Saint-Cyprienは周りにたくさんお店が並んでいる。マルシェの外のカフェで一休み。Marché Couvert Saint-Cyprienはコンパクトで庶民的。地元の人に混じって牡蠣とワイン。皆さん、ラグビー通。さすがはラグビーの歴史がある街だけのことはあると大いに唸る。この街の人たちは親切で察しがいい。

朝から晩まで開いているお店が多く、いつでもどこでも飲んだり食べたりできる。夕方早い時間から連日大賑わい。毎日がフェスタの様。自然派ワインのよいお店も最初に見つけて、すぐに街に馴染めた。ここなら住めるかも(笑)最後の夜はちょっと奮発して魚介類専門のレストラン。またまた牡蠣を楽しむ。今度はジラルド産。マルシェで食べたのはおそらくモンサンミッシェル産。それぞれに美味。他に、魚のスープと本日の魚(turbot)をオーダー。どれもとても美味しかった。特にお魚料理がシンプルなグリリアで花丸。

この街は二つの植物で有名だそうだ。ひとつはスミレ。19世紀からトゥールーズの北部で栽培され1950年代までは600軒の栽培農家があったとか。それが1956年の厳しい冬のせいでスミレは壊滅状態に。農家も1980年には3軒しか残っておらず。しかし1984年に農業会議所がトゥールーズのスミレを復活させることを決定、今に引き継がれているそうです(以上La Maison de la Violetteのパンフ参照)もう一つはパステル(アブラナ科の二年草)*** パステルはインディゴ(インド藍)の登場まで、青を染める染料として世界を席巻し、莫大な富を商人にもたらしたらしい(阿波の藍商の様ですね)。今でもいくつかパステルで富を得た商人の豪奢な館が残っている。その一つアセザ館は美術館になっているけれど、現在改修のため閉館中。染料としては衰退の一途を辿ったパステルに、別の効用が種々あることが分かり、いまでは化粧品などが作られているとのこと。アセザ館近くのショップ、MAISON DU PASTELで私も石鹸とパステル染めのストールを買い求めた。藍染のような深い色ではないけれど、やさしい色合いがすてき。あっ、だから「パステルカラー」という言葉ができたのかな!?

トゥールーズ、この街でのメインイベント、28日のサモア戦含めて言うことなしの滞在となった。

・訪れた場所覚書:
ジャコバン修道院 Couvent des Jacobins
アセザ館 Hôtel d’Assézat(バンベルグ財団美術館/休館中、2024年再開予定)
ノートルダム教会 Notre Dame du Taur
キャピトル広場 Place du Capitole(トゥールーズ市庁舎にはぜひ入ろう)
オーギュスタン美術館(改修工事中のため、一部のみ)
レ・ザバトワール現代美術館 Les Abattoirs(ジャコメッティ展開催中でした)
サン・セルナンバジリカ聖堂 Basilique Saint-Sernin

・レストラン等:
Assoiffés(自然派ワイン/買うこともできます)
Chez Jeannot(シーフード/スタッフの接客も花丸)
Maison Garcia(VILLAGE RUGBYに出店。ホットドッグとチョリソを食べましたが、すこぶる美味!)

*カスレ(cassoulet)が大好ききなので地元でぜひ食べてみたかったのですが、連日暑くそんな気持ちになれなかったのが残念(涙)

**ラグビー観戦に関してはやぎのサイト

***パステルの復活について詳しい記事を藍のスペシャリストである友人から教えてもらった。“仏南西部の「青い金」、復活した染料「大青」 薬効も