列車でミラノ中央駅。駅近のホテルを予約。最初にイタリアへやってきた頃を思い出させるクラシックなホテル。いい、いい! 旅情が掻き立てられます。Milanoは中継地点という立ち位置のため、観光などは一切なし。お気に入りの駅近のオステリアで夕ご飯を食べるのが唯一のお楽しみ。サイトから予約もして準備万端。昔は中央駅の周りは陰湿なムードが少し漂っていましたが、今は感じられない。ホテル近くでおつかれ生ビール。おつまみのピーナッツ。カンパリソーダの小さな瓶に入っていた。Buona idea! これはお洒落。何てことはない普通のお店なのに、オリーブもおいしい。こういうところがイタリアの魅力。駅のバールで飲むカッフェが美味しいとか、見た目はよくないけど、美味しいお菓子とか。変にきどってこの魅力を失わないで〜と心の中で叫ぶ。イタリアはフランスじゃなくていい(個人的見解です・笑)
夜はお楽しみのお店。このオステリアを知ってからミラノが好きになったほど。生ビールで喉を潤してから一応ロケハン。久しぶりだから。その途中仕立て屋さんの前を通った。ガラス張りの工房で男性が針を動かしていた。素敵な佇まい。私の視線に気づいたその男性が、目をあげて微笑んだ。歳の頃はどうだろう。50代後半ぐらいか。私はその一瞬恋に落ちましたよ(笑)それくらい映画の中のワンシーンのように素敵な風情だったのです。さて、現実に戻ろう。夜のお店をしっかりロケハンして、ホテルに戻る。
そのお気に入りのオステリアは、変わることなく美味しくていい雰囲気で、最後のイタリアを楽しく締めてくれた。「お父さん」も満足げです。変わらない良さ。挑戦も長く培って来た土台の上だからこそ。新解釈は伝統があってこそ。変えてはいけないもの、ということは厳然として存在する。そんなことを度々感じた5年ぶりのイタリアだった。