Nantesあとがき(2024.08.01 Thu.)

パリオリンピック、サッカーの試合を観戦、という目的の為に8泊という滞在になった。欲張らずに街をゆるゆる愉しんだ。それで見えてきたこともある。一番印象に残っているのは、助けを必要としている人自身が、近くの人に助けを求めること。ある日のトラム。座っていたご婦人が近くの女性に声を掛け、トラムを降りるのを助けてもらっていた。声を掛ける方も掛けられた方も、いつものこと、といった風情で。あるとき私も年配の女性から声を掛けられた。通りを渡るのに手を貸して欲しい、というリクエスト。喜んで腕を出した。声をかけるべきかどうか、悩むケースも多いので、手助けが必要な方が自ら声を発してくれたなら、悶々と言うこともない。それが極々自然に普通のこととして遭遇する機会があったナント。もう一場面。空港に向かうシャトルバス乗り場。券売機で四苦八苦している日本人男性と思しき方。周りにいた方々が代わりばんこに声をかける。「バスの中でも支払えるのよ」と。普段は他人のことなど我関せず。でも困っている人にはアテンション。日本では逆のケースも多々あって、苦々しく思うことも増えてきた。以前はイタリア馬鹿で、フランスのことはさほどでもでなかったけれど、気がついたら随分と好きになっていた(笑)ナントの街も、昨秋訪れたときは「二度はない」と思った場所。それがサッカーに、なでしこに導かれ、再び来てみたら意外や意外、好きな街に。三度もあるかも、と思うくらいに。いやはや、面白いものである。