鐘の音、恐るべし。と思ったら洗面所の窓が開いていました。うっかり。さて、今夜はアルバレット村へ赴いた二大理由のひとつ、チェーザレさんのお料理をいただく日。チェーザレさんに学んだ京都のRistrante dei Cacciatoriの永田シェフ。彼のお料理がまことに美味しいのでその方の師匠のお料理はどんなだろう。胸が高鳴る。今夜はキモノを着る予定。
リタさんから息子のリカルドさんがアルバに出るから良かったら一緒にと言ってくださったけれど、行きたいお菓子屋さんのある町までがんばって歩くことに。万が一の場合に備えてリタさんが携帯番号をメモしてくれる。あれこれ気遣ってくれ本当にありがたい。旅をしているときの人情はことさら身に染みますね。カメラを持って、それではアンディアーモ!最初のT字路を右に折れてからは道は一本道。迷うことはなさそうだ。車も少ないので歩きやすい。のんびり写真を撮りながら歩く。お天気は曇り。朝は一面の霧だった。
片道10キロ歩いて到着した町はBossolasco(ボッソラスコ)。永田シェフから京都でいただいたお菓子の紙包みを握りしめてお店を探す。とても美味しかったから近くへもし行くことがあったらぜひ買おうと、捨てずに取ってあった。実はこのお菓子屋さん、アルバレット村にあるのかと思い込んでいました。ないなぁと思い、よ〜く紙を見てみたら、住所がBossolascoとなっていて、距離を調べてみたら10キロあったという訳。10キロでへこたれる私たちではない。他にやることもないしね(笑)すぐにお店、Pasticceria Artigianale Eugenio Truffaは見つかり店内へ。後15分でお店が閉まるところでした。ひゃ〜、あぶないあぶない。アツアツのカッフェとフォッカッチャをいただいてほっと一息。お菓子もあれこれ買い込んで大満足。それにしてもいいお店です。買わなかった他のお菓子もどれも美味しそう。
町の中心地へ歩くとホテルが目に付いた。一階はリストランテで手前で飲めるようだ。さっそく入る。暖炉が燃えるスペースでグラスの赤。ドルチェット?ネッビオーロ?それとも、と聞いてくれるのがさすがピエモンテ、さすがランゲ。おまけで出してくれたサラミとチーズがこれまた美味。この調子だとこのホテルのリストランテも美味しいに違いない。短い時間ながらとてもいい時間を過ごしてホテルを後に。ボッソラスコの町をぐるっと一巡りして帰路に着く。帰りは途中の小さな村に寄り道をしながら。それでも帰りは早い。行きの半分くらいに感じる。
往復20キロを歩き切って、目的のお菓子も買って、満足満足。一休みしてキモノに着替えて、Ristrante da Cesareへ。こちらへも歩いてすぐ。お聞きしていた通り暖炉には仔山羊が。今夜のゲストは私たちをいれて二組。最初に着いたので、暖炉よりの奥のテーブルに。お料理はコース料理であらかじめ決まっている。手描きのメニューがすてき。まずはロゼ(チェーザレさんのお嬢さんが作っている)のアペリティーヴォが供される。美味しい。一口いただいてすっかりリラックス。チェーザレさんお薦めの赤ワイン、NEBBIOLO LANGHE 2011 PRODUTTORI del BARBARESCOをお願いしてお食事スタート。うん、どれもこれも美味しい。流れがある。緩急がある。量も絶妙。コース全体でひとつの作品となるよう考えられている。これよこれ!これが私の好きなお料理のスタイル。永田シェフのコース料理に感じていたことがここにあった。シェフはしっかり受け継いでいる。来てよかった。チェーザレさんのお料理を食べられてよかった。お話しできてよかった。若い女性スタッフもきびきびといい感じ。お食事の後には厨房にも入らせていただく。壁に描かれたイラストが微笑ましい。お隣のテーブルの方々ともお話し。ロスでイタリア料理店を経営しているそうだ。相客にも恵まれ本当に素敵な夜になった。
今宵のメニュー:
Polenta con Baccala
Insalatina d’Anatra su Salsa di Frutta
Porcini e Pesche
Goccia d’Oro
Ristotto alla Cardinale
Minestra di Ceci con Costine di Maiale
Capretto allo Spiedo
Dolce