一昨日とある場所でイタリアからの旅行客、女性二人連れをほんの少しお助けした。「あなたは私たちのエンジェルだわっ！」と感謝された。それほどのことをした訳ではないけれど、言葉の分からない異国で助け舟を出されたら、小さなことでもとてもありがたく感じられるものだ（自分の経験上）。しかも多少なりとも私がイタリア語ができるときた。うんうん、それは天使に見えたであろう。花粉症でマスクをしてたし（笑）イタリアへ来たら私の街を案内するわ、とメールアドレスをいただいた。その後の旅が順調だったかも気になりご挨拶がてら、その夜さっそくメールを出してみた。すぐに、問題なく目的地にたどり着いたと返事があった。そして京都で友達に合流して数日滞在するという。これもご縁と少しばかり案内をかって出る。

お昼過ぎまでお稽古先で利休忌なので、それが終了してからの待ち合わせ。しかし思ったよりも長引き、約束の時間に遅れるという失態。イタリア人に待たされることはあっても「待たす」なんて！しかもこの方たちは20分も早く約束の場所に（メールの時間を見てわかった）。マンマミーア！！「大丈夫大丈夫。落ち着いて」って優しく声をかけられる（涙）。すでに銀閣寺は見てしまったそうで、近くの法然院、椿が見事な霊鑑寺へ。そこから哲学の道へ出て南禅寺方面へゆっくりとパッセジャータ。木々や花々を愛でしきりにシャッターを押す。桜がまだ咲いていないのがとても残念そうだ。村上春樹の本に偶然書店で出会い日本に興味を持ったと、唯一の男性ジュゼッペ。仏教や禅に興味があってサンスクリット語まで学んでいるロベルタ。皆、随分前から日本に行きたいと思っていてようやく念願が叶ったとたいそう嬉しそう。そんな顔を見ているとこちらまでうれしくなる。

イタリアを旅するときは多くのイタリア人に助けられる。フランスを旅するときはフランス人に。どこの国でもたくさんの人から親切を受ける。その旅先で受けた親切を、自分の国で誰かにお返しをする。日本を旅する方々にも、私たちのいつもの旅のように、楽しく気持ちよく過ごしてもらいたい。普段使う機会がないイタリア語。聞く方はまずまず問題はないけれど、話す能力が恐ろしく落ちている。また再び学習しようという気持ちが芽生えた。偶然出会った四人組のおかげ。折しも季節は春。リスタートの季節です！

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