4日目のハノイ。本日深夜のフライトで帰国。最後になって青空が見えた。昨日は少し降られたけれど、ほとんどスコールにも遭わず雨季としてはまずまずのお天気だった。朝食を済ませ、エスプレッソ禁断症状が出始めた私は目をつけていたお店へ(笑)うん、おいしい!道行くスクーターを眺めながら、美味しいカッフェと共にひととき個人旅行的な時間を過ごす。
さて本日午前中はベトナムの茶人と茶文化交流。会場となった茶房(ビルの三階で、一階は食堂。薄暗い階段を上がるとまさにそこは別天地、「市中の山居」でした)には立礼でお点前ができるようになっていた。熊倉先生のお話に続いてYさんのお点前。ベトナムの方々と一座建立。先生のご説明があったので茶の湯の作法と心について、私もあらためて勉強させていただいた。ありがたや。
次にベトナムの茶人がベトナム茶をデモンストレーション。まず淹れてくださったのはお茶の生葉(手で揉んで使う)を使ったお茶。ハーブティーと捉えれば、なるほどこういうアプローチもあるのだなと得心。新鮮な美味しさでした。お菓子は日本の落雁を香ばしく焼いたような、どこか懐かしいお味。その場で食べずに持ち帰った丸い方には中に炒めた玉ねぎと思われるものが入っていた。こちらも美味。生葉のお茶の後は茶房のオーナーが有機栽培で作っている「緑茶」をいただく。慣れ親しんだ静岡のお茶に少し似ているように思う。茶葉もきれいですっきりと美味しい。好みのタイプなので一箱購入。お茶の淹れ方は、昨年台湾で拝見した作法とほぼ同じ。昨日の茶畑、そして今日の交流会は研修旅行ならでは!
タンニンを日本のものより少し強く感じるベトナムのお茶は、食前にいただくとお腹がぐぐぐ〜っと空いてくる。私だけか(笑)今日のお昼は楽しみにしていたベトナム精進料理。茶房から少し歩いた場所にある。どのお料理もとても美味しかった。中でも絹ごし豆腐を揚げたものは絶品。
午後は世界遺産のタンロン城址を見学。バスでホテルに戻る一行と別れOさんと二人歩いて帰ることに。途中気になっていたブティックに入ったり、線路を探検したり(線路の両脇にお店も家もあるので進入禁止ではなさそうです。念のため(笑)しかし廃線かと思った…)。最後に、元刑務所で今は博物館になっている「Hoa Lo Prison」へ。フランス植民地時代に政治犯を収容するために建てられたもの。建物を囲む堀の上、有刺鉄線の代わりにガラスの瓶の破片がびっしりと埋め込まれているのが、フランスらしい。というような呑気な感想を持てる時代に感謝。ミュージアムショップともうひとつショップ「hanoia」が入っていて、そこで素敵なピアスを自分の為に購入。こちらの製品はデザインもいいし、作りも丁寧。色の使い方にもセンスがある。お茶筒や木の箱などもすてき。素敵なものも平和な時代であってこそ。銃を手放しワイングラスを!兵器の代わりに工芸作品を!!この世が美しいもので満たされますように。
ホテルへ戻りパッキングを済ませシャワーを浴びてリフレッシュ。チェックアウト後、ベトナム最後の夕食(フレンチ)をいただき空港へ。マイレージ予約なので一人別に搭乗手続き。座席に着くとなんと来るとき同様中央一列ひとりじめ。それなりに混み合っている機内なのに幸運でした。食事も取らずに爆睡。気がついたら関空。旅を反芻しながらはるかで帰洛。