鉄子ならずとも (2017.08.07 Mon.)

明知鉄道@恵那駅

岩村駅

保存地区

藩校知新館趾

城下町明知鉄道に乗り、恵那から岩村へ。中央線で多治見の先へ行くのも初めてなら明知鉄道に揺られるのも初めて。わくわくして出かける。単線で一車両、青々とした田んぼや木々の中をのんびり走る。鉄子ならずとも気分が高揚する。この明知鉄道、昭和60年11月16日に国鉄明知線(昭和9年6月24日開業)を引き継いで第三セクター方式の経営形態として発足し開業した地方鉄道だそうだ。岐阜県恵那市の恵那駅から明智駅、25kmあまりを結ぶ。「寒天列車」や「きのこ列車」そして「升酒列車」など、気になる観光列車も運行されている。終点の明智には日本大正村というのもある。

さて、岩村。少し時間に余裕があるので、目的地の岩村山荘へ向かいながら重要伝統的建造物群保存地区を歩く。まったく知らなかったけれど、岩村は“八百年余年の歴史を持つ三万石の城下町として、今も城山に本丸をはじめとする石垣を残す日本百名城のひとつ岩村城跡をはじめ、重要伝統的建造物群保存地区に選定された歴史の町並みや数多くの旧跡を有する、情緒あふれる史跡観光の町”(以上「いわむら観光協会オフィシャルサイト」より抜粋)だそうだ。家々の外には江戸時代後期の儒学者、佐藤一斎が残した名言が書かれた木板が下がっている。これがまたいい。しかし私は佐藤一斎なる人物も岩村に来て初めて知った。なお、郷土の偉人として佐藤一斎の他に、下田歌子(実践女子学園の創設者、女子教育の先覚者)・三好学(天然記念物制度を提唱した現代植物学の祖)の名が挙がっている。

岩村山荘では茶の湯関係の勉強会に先立ち、岩村の歴史についても少し学ぶことができた。関東から京へ上るルートの要衝だったこと。藩校の知新館のこと。お昼をいただいてから場所を移し、茶の湯関係の勉強会。終わって美味しいお茶とお菓子をいただきふたたび明知鉄道。昨年は大雨で明知鉄道も遅れ、さらに中央線が止まってしまい、大変だったとご一緒になった方から伺う。台風5号が近づいているので大いに心配になったけれど、中央線の本数が70%運行になっていたぐらいで無事京都へ戻ることができた。帰りの明智鉄道ではさわやかな地元のスポーツ少年にも遭遇。短い旅ながら、明知鉄道そして岩村町に大いに魅せられた。またぜひゆっくり訪れたい。