「私たちの」ワールドカップは終わった。あとはテレビで応援するのみ。もう一日残っているニース滞在。市街地へはなぜだか足が向かず、逆方向へ行ってみようと相成った。サン・イシドール駅へ歩き出したところでまた例の紳士と遭遇。奥様も交えて少し立ち話。お二人はこれからラベンダー畑を見に行くと言う。旅先でこうやって交わる人たち。おそらくは再びまみえることはないだろう。ほんのひとときなのにずっと心に温かく存在する人や時間、というものがある。まさにそんなお出会いになった。
アーバン路線最終地Plan du Varへ向かう。そうそう、昨日市街地へ出たときに偶然、プロヴァンス鉄道(Chemin de Fer de Provence)の旧駅舎に遭遇した。「あれ?こんなところにも駅が」と思って通り過ぎたけれど、後から旧駅舎だったことを知る。今は図書館として使われているそうだ。そしてこのプロヴァンス鉄道はアーバン路線とは別に「観光路線」というのがあってDigne les Bainsまで(所用時間約3時間15分)本数は少ないけれど運行している。Plan du Varは何がある、という訳ではなさそうだけれど、観光路線のエッセンスくらいは味わえるかもと期待して。30分に満たない小さな旅。しかし景色は随分と変わった。険しくそそり立つ山。ゆったりと流れる川。30分程度でこれならばこの先はもっと楽しいに違いない。観光路線に乗るべきだったか。いやいやあんまり欲張っても(笑)ホテルもレストランもあるけれど営業していない。潰れたのか、はたまたシーズンオフなのか。開いているパン屋さんを見つけて入る。ピッツァとジュースでお昼ご飯。ピッツァが美味しかったしおかあさんも親切で、こんなお昼もいいものです。
帰り際、少し大きな町だと思われるところで途中下車。しかし何もなかった(涙)再び列車に乗りサン・イシドールへ。バールへ立ち寄りお昼に飲めなかったとばかりにビール。ワインもグラスでいただいてホテルへ戻る。夕ご飯はまたまたホテルのレストラン。サッカーを見にきたのだから!と割り切る、というか言い聞かせる(笑)パスタが美味しかったし、地元のロゼもよかったので、満足満足。ニース最後の夜が更けてゆく。