春の兆し(2020.02.12 Fri.)

とある勉強会でご一緒だった方から詩が届いた。内村鑑三の「二月中旬」。“冬”をコロナと置き換えることもできようか。声に出して読むと、心の奥から温かく力強い思いが湧いてきた。

 風はまだ寒くある、
 土はまだ固く凍ばる、
 青きは未だ野を飾らない、
 清きは未だ空に響かない、
 冬は未だ我等を去らない、
 彼の威力は今尚ほ我等を壓する。
 
 然れど日は稍々長くなった、
 温かき風は時には来る、
 芹は泉のほとりに生えて、
 魚は時々巣を出て遊ぶ、
 冬の威力はすでに挫けた、
 春の到来は遠くない。

もうひとつ。「意志の楽観主義、知性の悲観主義」(Pessimismo dell’intelligenza, ottimismo della volontà.)20世紀イタリアの思想家アントニオ・グラムシの言葉も書き記しておく。