最近食卓で「初めて」が続いている。口には何度もしているけれど家で食べるのは初めてとか、よく知っているけれどこの食べ方は、とか。少し前に行きつけの魚屋さんで出会ったのはホヤ。生むき身の海水パック。食べ切れるかしらとどきどきして買ってみましたが、香りがよく完食。酢の物がやはり美味しかった。
そしてビーツ。最初に出会ったのは子供の頃、新宿伊勢丹会館のロシア料理店。ボルシチを初めて食べたときだった。ここ数年はサラダなどに入って出てくることも多く、好きな野菜の一つ。最近は国産のものも売られるようになった。先日スーパーで「とてもおいしい」と伺い鹿児島産のものを買った。皮付きのまま30分ほど茹でて、スープを勧められたけれど、味見をしたらそのままでとても美味しかったので、サラダで。国産のものは独特の匂い(倉庫の匂いのような)が少なく、私はその匂いも好きなのですが(笑)食べやすいように思う。
次にズッキーニ。ズッキーニと言えばすっかりメジャーな野菜になりました。いつもは皮ごと。でもパラパラとめくっていたスペイン料理のレシピ本*に、皮を剥いて使うお料理が載っていた。それはZarangollo(サランゴーリョ)と呼ばれるズッキーニと卵の炒め物。材料はズッキーニ、玉ねぎ、卵、ニンニク、オリーブオイル、ドライオレガノ、塩、粗挽き黒胡椒。すべて揃っているのでチャレンジ。初めて作る料理なのに、なぜか懐かしい。皮を剥いたズッキーニはこれまでとは違う魅力。簡単で美味しくて定番になりそうな予感。
そしてご近所さんからいただいたワラビ。子供の頃は父に連れられてよくワラビ採りに出かけた。とても楽しかった記憶。カナダはブリティッシュコロンビア州のとある島でも見つけて、嬉しくなって採ったことも思い出す。教えていただいた通りにアク取り(沸騰したお湯に重曹。火を止めてワラビを入れ8時間そのまま)食す。う〜ん、春のにおひ。そうだ!これはプロシュットにも合いそうだ。ちょうど冷蔵庫にはノルチャ産の生ハム**が。うっしし。この組み合わせには泡だろう。ワラビにたらりとオリーブオイルを回しかけ、生ハムでくるくると巻いて。目論み通り泡にぴったり。今宵の泡はカヴァ***。初めてカヴァで、これはいい!と唸った一本。ニッポン、イタリア、スペインと3カ国の素晴らしいフュージョン。
*「家庭で作れるスペイン料理」(丸山久美)/河出書房新社
**ノルチャ産生ハム/PIATTI
***Aurèlia Cava Brut Nature Reserva CASTEL D’AGE/ディオニー