男子板飛び込みの決勝、最後の演技を終えプールに深々と一礼する寺内健選手。会場にいた各国の関係者や競技者のスタンディングオベーション。鳴り響く拍手。温かく美しい光景。クーベルタンが掲げたオリンピズム、それはまさにこの様なものであったのでは。その光景に、画面を通してだけれど、立ち会えたことの喜び。そうか!スポーツ競技を見ていて一番の喜びはこの「立ち会える」ことだ。もちろんすべてが美しく温かいものではないことも分かっているけれど、ひとつでもふたつでも琴線に触れるシーンを見ることができ、それを通じて見ている私たちも何かを掴み取り、己が行く道の縁にできれば。とここまで書いて、帰りの飛行機で傍若無人な振る舞いをしたオージーのニュースを知る。選手たちも様々ストレスを抱えてのオリンピックで気の毒だと思うけれど、まことに残念なり!