北米より(2023.03.27 Mon.)

アメリカのホームステイ先のお母さんから、毎年結婚記念日を祝うカードが届く。いつもは必ず数日前に届くそのカードが今年は記念日を過ぎても配達されなかった。80代後半のお母さん。具合でも悪くしているのかしらと気を揉んでいたところにカードが届いた。ほっと胸を撫で下ろす。お母さんのカードにはいつも子どもたちや孫の近況がびっしりと綴られている。お母さんには一男一女。孫は三人。その一女のLが、仕事をリタイヤすると言う。カレッジを卒業してから公認会計士として、38年間会計士事務所の共同経営者という立場にあった。晴れてリタイヤ。ご夫君と二人、オーストラリアとニュージーランドを旅するそうだ。2ヶ月間! 2週間じゃありませんよ、2ヶ月間!! 私がホームステイしたその家には、時は違うけれど、オーストラリアの男子も1年間ステイしていたことがあって、そのオージーとは、私は日本で会っている。Lの兄、Bとそのオージーは私が20代の頃、日本へ二人でやって来た。その頃私は東京で一人暮らし。とある晩、東京で三人で飲んだ。よもやま話の合間にふと私が「くちびるが乾燥しちゃって」と話したら、件のオージーは「それはビールとキスが足りないからだよ」と宣った。オージーの皆さまは500ml缶がデフォルトですからね。やっぱり言うことが違うわね。キスについては、ほっといて!と思いましたよ(笑)その二人は日本での旅行中、山梨の実家にも立ち寄ってくれた。それに合わせて私も実家に帰省。山梨に来る前に行った「白骨温泉」を随分と気に入っていたことなど懐かしく思い出す。「白骨」というのがツボだったらしい(笑)さて、話は元に戻る。お母さんの手紙によると、Lとその夫のM、オージーとその妻は2週間一緒に旅するそうだ。我々日本人の多くは(若い頃は別としても)親しい友人といえども2週間共に旅する、というのをちょっとしんどく感じるのではないだろうか。他人との距離の取り方が下手、というのもあるだろうし、いろんな意味で「弱い」と自分のことを含めて思う。一般的に、私がホームステイをしたカナダやアメリカの人たちは、さまざまな局面で「タフ」だと感じる。どっちがどう、ではなくて、歴然とした違い。リタイアしたから2ヶ月海外に、というところからして違う(苦笑)ちなみに、私のホームステイ先も、その子どもたちの家も「中流」の家庭だと思う。その中流が日本でいうところの中流と、明らかに違う、のだ。

とにもかくにも、いつまでも心に留めてくれる人がいる、というのは幸せなことです。さて、私も近況を添えた母の日のカード用意しなくては!