“糸を引く” 最近、訝しいことが増えている。前からあったけれど巧妙に隠していたのか。はたまた… 諏訪にある数寄屋建築を手掛ける設計事務所の方々と松本でお話をする機会を得た。建築業界が抱える様々な問題。とりわけ建築のルールが大きく変わる2025年問題には大きな衝撃を受けた。「省エネ」と大義名分を振り翳し様々なルールが決められていくけれど、それは本当に道理に適うことなのだろうか。たとえば先日とある建築士の青年がこんなことを話していた。「省エネ効果があるエアコンに替えるときなどに補助が出るけれど、省エネ対策と謳うのであれば、例えば庭に木陰を作る樹木を植えるために補助が出てもいいのでは。補助のありかたが画一的で問題があるように思う。」おおよそこんな内容だった。これには、なるほど! 確かに!!と膝を打った。特定の誰かだけが潤うシステムになっている。脱炭素などと同じ“にほひ”がする。
大工さんの金槌の音。鉋で木材を削る所作。私が子供の頃には今でいう「工事現場」にも気持ちのいい音や目が釘付けになる景色があった。そしてお楽しみは建舞(たてまい)。どこそこで建舞があると聞くとうきうきと出かけたものだ。大きな四方餅はベテランの大人たちのもの。子供は足元に落ちてきた小さなお餅をせっせと拾う。当時は袋などに入っておらずそのまま投げられた。出るゴミもなく、よかったなぁ。そんな昭和は、まことに遠くなりにけり(涙)