トゥール“古の都”(2023.10.06 Fri.)

次の観戦地ナントに近づきつつ滞在できるところ、と選んだのはトゥール Tours。イタリア馬鹿でフランスのことはほとんど知らない。当てずっぽうである。ロワール川とシェール川に挟まれた街。しかしこれが大当たり。きちんとしているけれどツンとすましてもいない、よい街である。マルシェもぴしっ。レストランもぴしっ。人々の話すフランス語もぴしっ。混沌とは無縁。ルイ十一世の時代に首都が置かれていたということにも頷けます。そしてこの街もまたレストランなど連日大賑わい。よいお店も多く、美味しい食事とロワールのワインを堪能。ロワールのワインは、もともと大好きなのである。

トゥール最寄りのTGVの駅からトゥール市内のホテルに向かうまでに雨が降った。初めての雨。そして気温もようやく平年並みに。これまであまりお出会いのなかったキノコにも豊富に出会えた。しかし乾燥以外は持ち帰れない。大いに残念である。ここでは街歩きとアンボワーズへの小旅行。初めての街は何をしなくても歩いているだけで楽しい。

サン・ガシアン大聖堂 Cathédrale Saint-Gatienは圧巻。隣接するトゥール美術館 Musée des beaux-arts de Toursも、植物園 Jardin Botanique de Toursもよかった。どこへ行っても落ち着きがあり時間がゆっくり流れている印象。エレガントである。それにしてもアイルランドの国旗が目立つ。あちこちで旗めいている。なんでだろうと思ったらアイルランドのベースキャンプ地でした。それもあってかプリュムロー広場 Place Plumereauでビールを飲む人の数もすごい。その他にも荘厳な建物があちらこちらに。市庁舎の立派さにも驚かされる。その中に木骨組(コロンバージュ Colombage)の建物が面白いコントラストを見せている。トゥールの駅もいい。旅情がかき立てられる古き良き風情を残す佇まい。構内のカフェもいい。しかしこの駅は終着駅のため、TGVの乗り入れがなく、TGV利用の場合はサン=ピエール=デ=コール駅を利用。ここからトゥール駅までは列車で5分と至近距離。この5分の為に乗り換えなくてはいけない。しかもサン=ピエール=デ=コール駅は今様で味気ない。乗り換えにかかる労力を鑑み、私たちは往復ともタクシーを利用。大した距離ではないので金額もかわいいものでした。

ようやく涼しくなってきたので、この街ではフォアグラやお肉も堪能。最初にお昼を食べたLa Maison des Hallesでの夕食。“本日のお肉”が「和牛ビーフ」(“和牛=Wagyu”が商品名に)で、いやいや私たちは興味ないから、とお店のスタッフと楽しいやりとり。このお店のソムリエとは心が通いとてもよい時間になりました。たった一度や二度でもこういう嬉しいことはある。人との出会いの妙味は回数ではない、としみじみ思う。

お土産を買う為に入ったPâtissier & Chocolatier Nicolas Légerでもラグビーボールやアイルランドのエンブレムを模ったショコラが置いてあり、他の街でも感じましたが、街全体でW杯を盛り上げている様子。その盛り上げ方にもそれぞれの街のやり方がみられて楽しい。それにしても気がついたらフランスも5回目。言葉は未だ挨拶程度だけれど、随分と馴染んできた。この街でもリラックスして楽しい日々を過ごした。フランス万歳!

・上記以外のレストラン:
Mao(アジア料理/おしぼりが出ました!)
OBist’Ro(地元の人と思われ方々で賑わっている、よいお店でした)

・屋内マルシェ:レ・アール Les Halles de Tours

アンボワーズへの旅