鍾山即事 王安石
澗水無聲繞竹流
竹西花草露春柔
茅檐相對坐終日
一鳥不啼山更幽
澗水声無く 竹を繞(めぐ)って流る
竹西の花草 春柔を露(あらわ)す
茅簷(ぼうえん)相対して 坐すること終日
一鳥啼かず 山更に幽なり
・澗水:谷川の水
・茅檐:茅葺の家の軒。転じて、あばらや、粗末な家
・王安石:1021~1086 北宋の政治家。字は介甫、号は半山。北宋第六代の皇帝「神宗」のとき宰相となり新法と呼ばれる諸政策を実地し財政改革を進めるが、保守層(旧法党)と対立して挫折。文人、学者としてもすぐれ、唐宋八大家*の一人。詩文集「臨川集」など
*唐末から宋にかけての代表的な文章家。唐代の韓愈・柳宗元、宋代の歐陽脩・蘇洵・曽鞏・王安石・蘇軾・蘇轍の八名を指す
公益社団法人関西吟詩文化協会のサイトにこの漢詩の詳しい説明がありました。リンクを貼らせていただきます。