Genova 4日目(2024.07.17 Wed.)

“ジェノヴァの風景は変わらないけれど、わたしは…”

これまでに歩いたことのない地域を積極的に適当に(笑)前回は陣内秀信先生の「イタリア海洋都市の精神」(講談社)を頼りに歩いた。今回は久しぶりのイタリアということもあり、リハビリを兼ねつつのんびり確たる目的を持たず、野生の勘で(笑)

二日目(15日)にはルネサンス時代のパラッツォが並ぶVia GALIBALDI*を歩き、小高い公園を目指した。あれ? ここ来たことあるよね、と顔を見合わす。エドアルド・キオッソーネ東洋美術館 Museo d’Arte Orientale Edoardo Chiossoneだった。16年も前のぼんやりした記憶が突如鮮明に顔を出したり、今日は今日とて、これまで見たことのなかった遺跡が突然現れたり、ふと立ち寄った教会のオルガン**に目を見張ったり、と無計画ならではの楽しい街歩き。Mercato Orientaleのフードコートでお昼ご飯。2階にはリストランテが並ぶが、各国料理が並ぶ一階で気軽に。「鶏肉のレモン風味+ライス」に生ビール。この一皿がたいへん美味。素朴なお料理の方がやっぱり合っているようです(笑)夜は魚介を求めて港方面のお店、Da Leccarsi i BAffiへ。ここで“つきだし”として出された「Panisa Ligure」が大いに気に入る。セコンドのフリット、本日のお勧めの看板から「Fritto misto all’italiana」頼んだら、途中私たちの食べ具合を見たお店の方が、すごく多いわよ。少なくしますか?と声をかけてくださった。お言葉通りにそうさせてもらう。それでも食べきれなかった。フリットは大好きで、いつもだったらぱくぱく食べられるはずなのに、なぜだろう。美味しくないわけじゃないのだ。以前よりフリットが重たい? ワインは自然派の白(ピガート)。ミネラル感あり大好きなテイスト。お店の雰囲気も人々もとてもいいお店でした。

*Via GALIBALDIは元々はStrada Nuovaと言った。前述の「イタリア海洋都市の精神」には“ジェノヴァの中世海洋都市国家は、港のまわりのごくゆるやかな斜面地に高い密度で造られていたが、16世紀半ばに、この町の貴族・上流階級の人々の欲求を満たすべく、その外側に広がる高台の田園を開発して、ストラーダ・ヌオーヴァ(現ガリバルディ通り)と呼ばれるまっすぐな街路を通し、それに沿ってルネサンスの新しい高級住宅地を建設した。”とある(“”部分引用)この新天地にルネサンスとバロックにかけて造られた数本の街路と、その通り沿いに並ぶ「ロッリ」と呼ばれるリストに登録された当時の貴族たちのパラッツォ郡が2006年7月に世界遺産に登録されたこと、「ロッリ」と呼ばれるリストは厳選された大邸宅(パラッツォ)が登録されたもの。繁栄を続けたジェノヴァ共和国では、世界から訪れる来賓用迎賓館が必要となり、16世紀後半から17世紀初頭にかけて、新しい街路に沿って建てられた豪華な大邸宅を厳選しリストに登録させ(このリストが「ロッリ」)それらを国家来賓の宿泊先として法で制定した、ということも「イタリア海洋都市の精神」から教わった。

**オランダのイエズス会士ウィレム・ヘルマンス Willem Hermansが1657年から1659年にかけて制作したもので、1853年にカミッロ・グリエルモ・ビアンキ、1905年にリンジャルディ兄弟 fratelli Lingiardiによって修復された。写真に見られるように見事な彫刻が施された木製ケース付き(教会HP参照)