今マイブームは地獄(笑)地獄と言えば子供の頃、年に一度母の実家が檀家になっているお寺さんで地獄の絵を見せられた。それはそれは怖い場面がそれぞれお軸になっていて本堂にずらっと掛けられていた。地獄が存在すると信じていた訳ではないけれど、閻魔様が鏡で私たちの行いを見ているとか、ウソをつくと舌を抜かれるとか、心の片隅にはいつもあって、もちろん子供ながらに悪いことはするのだけれど、本当に悪いことはできなかったというか、ブレーキがかかっていたように思う。半世紀を生きた今でもそれに変わりはなく、大きく道を踏み外さずここまで来られたのはあの地獄の絵を見せられたことが大きかったのではないかとさえ思う。だから今のお母さんたちも子供に、それも小学校の低学年から、地獄の絵を見せるべきではなかろうか。
さて、その地獄。そうは言っても知らないことだらけ。そんな地獄を最近は漫画で楽しく学んでいる。その漫画はモーニングに連載中の『鬼灯の冷徹』。これ本当に面白いです。ときどき外すこともあるけれど(笑)この漫画で獄卒や十王を詳しく知ることができました。
そして最近マイブームに呼応するように受講している講座でも地獄がテーマとなる。その講座は茶の湯同好会主催の『欠伸会-江月和尚の語録に学ぶ』(講師:芳澤勝弘先生)。江月和尚の賛を読み解いて行くものですが、今回のテーマは地獄が描かれたお軸に書かれた和尚の賛。なんとタイムリーな(笑)
講座の内容はここでは割愛。地獄についてざっと覚え書き。まず地獄の数は136。そしてそこへ行くかどうかの裁判を受けるのは悪人だけではなく、すべての人、だそうです。そして十王(良く知られる閻魔様はこの十王の内のお一人)が小巻(いわゆる閻魔帳)を開いて審問を行う。この小巻は罪福簿、功徳簿とも呼ばれ、悪だけではなく善も記録されている。記録するのは倶生神(クショウジン)。人が生まれたときから左右の肩に取り付いている男女の二神で、男神を「同名(ドウミョウ)」、女神を「同生(ドウショウ)」と言い、男神が善を女神が悪を記録するとか。
本当にあるかどうかわからない地獄ですが、もしかしたらあるかも。今からでも遅くはない(かも)。善行を積みましょう。そしてそれを同名様に書き留めてもらいましょう!と思う私です。
参考文献:茶の湯同好会主催『欠伸会-江月和尚の語録に学ぶ』(芳澤勝弘先生)2012年9月14日資料