2006/10/05(木 giovedi) 晴  ■Non c'e'!?■

だいぶ早いが空港に向かう。なんと想像もしていなかったトラブル発生。予定していたフライトがない。予約が入っていなかった、というのではなくフライトが存在しないらい。マンマミ〜ア!!カリアリ空港、Air Oneカウンターの女性は「誰の間違いかしら」などと悠長なことを言っている。あなたの会社のミスに決まってるじゃない!HPでフライト検索をして出てきたフライトを予約しただけなのよ、こっちは。フライトがキャンセルされたという連絡もなかったし。女性が言うにはそもそも「私たちが予約したフライト」が存在しないそうなのだ。どうなってるのぉ〜。とにかく“今ここにある危機”に冷静に対処しなくては。オフィスの窓口に急ぎ移動して事情を説明する。午後の便に振替ではミラノ到着が遅過ぎる等、強い姿勢(これが大事・笑)で訴える。するとすでにボーディングが終わってまさに滑走路へ出ようとしていた飛行機に連絡を取り、何とか私たちが乗れるように取り計らってくれた。ここから先は荷物を持ってひたすら走る、走る。しかし日本だったらこうはたぶん行かない。だって私たちはボーディングパスを持っていないのですよ。とにかく無事に飛行機に乗れて、ちょっと恥ずかしかったけれど、空いている席に座らせてもらい、遅刻じゃないんですよ!悪いのはAir Oneなんです!!と心の中で叫びながら、シートベルトを締める。そしてとにもかくにもミラノ着。ふぅ。

リナーテからパヴィーアへ向かう。久しぶりに大きなグラスで白ワインを飲む。


2006/10/06(金 venerdi)晴  ■再会■

イタリアでの休暇の最後にパヴィーアへ立ち寄るようになって三度目。Il Cignoのアンジェロシェフと奥様に再会するのが目的。昼間はお土産を買い込み、夜は心待ちにしていた夕食へ。シェフも奥様も再会をとても喜んでくれた。新作メニューはこれだよ。これもお勧めだよ。とアンティパストから始まりドルチェまで説明がある。でもきっと今年もシェフの胸の内では私たちに食べさせたいお料理は決まっているのだ(笑)ワインはお勧めの中から奮発してちょっと値の張るものを。だって今年の休暇もあと二晩を残すのみ。わざわざシェフのお料理を食べにパヴァーアへ来たんだから、ワインだって「これは」というものを飲みたい。そして、これにします、と言ったときのシェフの顔。よしよしって顔に書いてあった(笑)エレガントなリストランテなので安くはありませんが、料理の質、料理に合わせて選ばれたワイン、シェフと奥様の温かい人柄とサービスを考えると、決して高くない。やはり今年も来て良かった!

来年はお店の定休日に絶対にパヴィーアに滞在しなさい。私の故郷(Paese)を車で案内するから。と強く言われ、感激。来年こそ、シェフの好意 に甘えよう。年々少しづつ深まる絆。その絆をとても嬉しく思いながら、お店を、Paviaを後にする。


2006/10/07(土 sabato)雨のち晴 ■待望のミラノオフ■

朝起きたら雨が降っていて気を揉んだけれど、夕方ミラノ在住の友人たちと落ち合う頃には雨もすっかり上がり、ほっとする。お昼はPECKのバールで済ませ、Via Danteで“ITALIA emozioni dal cielo”という空撮写真展を観る。上から見るイタリアはさらにとても魅力的だ。夕方宿泊先で友人たちと待ち合わせ。Tさんと私は着物。Tさんのイタリアでの着物デビューの後押しになったようで何より(笑)夕食の前にARTE GIAPPONEというギャラリーにお邪魔する。La Gioia della Vita 〜artigianato giapponese〜・暮らしの喜び 〜日本の工芸〜展 と言うのが開催されているとイタリアへ発つ前に小耳に挟んだ。そしてなんとその展示には、7月にKIMONO真楽という着物好きが集うインターネットコミュニティの有志で作った「紋紙アート」(使われなくなった紋紙と古布を利用したアート作品)のひとつ“灯”が飾ってあった。紋紙アートは越後妻有アートトリエンナーレの開催期間中飾られたと聞いていたが、ミラノでお目にかかれるとは、この偶然には本当にびっくり。そしてとても嬉しかった。

ギャラリーの展示もとても良かった。日本で買うより安いと帯留めなど買い求めたり(笑)日本の手仕事を紹介するこのような催しはこれからも続いて行くといいなぁ。そして一人でも多くのイタリア人に見てもらい日本に対する理解を深めてもらいたい。

トリノ通りのお洒落なパン屋さんでアペリティーヴォ。続いてナヴィリオで夕食。愉快な会話が止まらない。ミラノの友人たちへ、そしてすべてのことへ感謝しつつ最後の夜も更けていく。ーLa Fineー