諦めていたワールドカップ、ライブ観戦。ぎりぎりになって、思い掛けなくチケットが手に入った。6月8日イタリア対クロアチア、カシマスタジアムである。


午後6時キックオフの試合に東京駅から特別快速列車に乗る。ほとんどが同じ目的の人たちだ。大きな国旗を持ったイタリア人サポーター。イタリア応援の日本人。ちらほらとクロアチアサポーター。列車はかなり混雑して発車した。東京駅から直行バスも出ているけれど、万が一を考えて列車を選んだ。想像以上に鹿島は遠い。ようやく駅に到着してスイカイオで出ようとしたら、なんとなんと、自動改札ではないではないか。しかもカードでは清算できない。机を並べて臨時に精算を行っている列に並ぶ。同行のカナダ人M嬢はかなりおかんむりのようである。それもそのはず、彼女は東京駅で鹿島神宮駅まで行くのだがスイカイオが使えるだろうかと、確認した上、列車に乗ったのであった。私は目的地もJR東日本だから、スイカイオで出られない訳がないと疑いもなく列車に乗った。う〜ん、こういうところがなんとも言えず駄目だね、JR東日本!

駅からスタジアムまで無料シャトルも運行していたが、たっぷり時間があるので歩くことにする。それにしてもすごい人だ。途中警官の数の多さにもびっくり。この対戦カードにこんな警備は必要ないと思うけど、などと思いながらてくてく歩く。とにかくてくてく歩く。すると突然畑の真ん中にスタジアムが現れる。ひぇ〜、すごいところに作ったものだ。スタジアムの前にはたくさんの屋台が出ていて、雰囲気を盛り上げている。荷物検査を受けて中に入る。持参したミネラルウオーターをそのままでは持ち込めないので紙コップに移す。ペットボトルってあぶないの?投げる人がいたら困るから? まぁ、ルールならしょうがない。座席を確認してさっそくビールを買いに行く。そしたらなんとビールはキックオフの90分前からの販売らしい。あと30分は飲めないのか。そんな事なら屋台で一杯やってくれば良かったぞ。それにしてもなぜバドワイザーがオフィシャルビールなんだ(涙)。

イタリア対クロアチア戦の前に地元の少年・少女サッカーチームのゲームが始まった。それぞれハーフコートを使っての試合である。なかなか上手い。このころには観客も結構来ていたのでかなりの声援だ。今日は晴れてかなり暑かったけれど子供たちの試合が終わるころには風も出てだんだん涼しくなってきた。そしていよいよキックオフの時間が迫る。選手達がピッチに出て練習を始める。初めての生アズーリ。オペラグラスでしっかりチェック(笑)。

さぁ、試合開始。イタリアが初戦、良い出来だったので、今夜の試合も期待が出来そうだ。それにしてもイタリア人サポーター、賑やかである。

前半は0対0。そして後半10分、期待通りヴィエリが先制。これで今日決勝トーナメントを決められるか、イタリア。ますます、サポーターが元気である。しかし鍋の蓋を手すりにぶつけて応援するのは止めて欲しいよ。それもすぐ後ろで。ここは一つ、イタリア語で注意するしかあるまい。おっほん。その上、通路と階段を塞いで騒いでいるので、警備のお兄さん達が引っ切りなしに注意している。しかしそんなことでひるむイタリア人ではないのである。たしかに多少野暮ではあるが、職務を忠実にこなそうとしている警備のお兄さんが可哀想になってくる。と、なんとクロアチアがオリッチのゴールで後半28分同点に追いつく。途端に声が出なくなるイタリア人サポーターたち。情けない!負けているときこそ応援しなくちゃ駄目なんじゃないの!!今一つ今夜のアズーリにはツキがない。審判の判定も心なしか彼らに不利である。それに比べ、クロアチアの動きがいい。ゴールネット裏に陣取った、サポーターの応援も、数は決して多くないけれど、とてもいい。どうしたアズーリ、どうしたサポーター。元気のない彼らをしり目に、クロアチアのラパイッチが後半31分二点目を決める。彼はペルージャで中田選手とプレイをしていたので、日本でも結構知られている。う〜ん、ラパイッチ、やるなぁ。立て続けにゴールを決められ、ますます声の出ないイタリア応援団。この後、ドニに替えてインザーギを投入。ロスタイムにインザーギのシュート!これで同点と喜んだのも束の間、なんとその前にファウルの判定。そしてタイムアップ。あ〜あ、はるばるやって来たのになぁ。ネスタの怪我も痛かったね(涙)。

とぼとぼとスタジアムを後にすると、ロベルト・バッジョの立て看を持ったイタリア人を発見。バッジョは泣いていた。私も泣きたいよ、と話しかけると、イタリアはクロアチアに弱いんだよ。まったく!とお兄さん。後から記録を調べたら、確かにこれまで一度もクロアチアにアズーリは勝ってなかった。それに比べ嬉しそうなクロアチア人サポーター。きっと朝まで騒ぐんだろうな。いいなぁ。

また列車に揺られなくちゃいけないんだ。うんざりだと思っていたら、高速バスに乗ることが出来た。道路も空いていて一時間ちょっとで東京駅へ。残念な結果の試合だったけれど、初めての鹿島スタジアム、そして初めてのワールドカップ観戦。とても有意義な一日でした。そうそう、近くの席にはお相撲さんが二人。ちょっと窮屈そうでした(笑)。

これを書いているのは6月24日。すでに日本もイタリアも姿を消してしまった。審判のことなど色々言われている今大会。残り試合はすっきり楽しめるゲームになって欲しい。そして横浜にやってくるのはいったい!?


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