サッシ地区は北のサッソ・バリサーノ Sasso Barisano と
南のサッソ・カヴェオーソ Sasso Caveoso からなる。
住居は、全体あるいは一部分を岩山を掘り抜いて作られている。
カルロ・レーヴィ Carlo Leviがその著書「キリストはエポリにとどまりぬ」
でサッシを描写すると、マテーラのサッシ地区は戦後の南イタリア文化の
悪夢として位置づけられ、1952年、58年、67年に特別に制定された
三つの法律に基づいて、住民は特別に建設されたラ・マルテッラ La Martella と
ボルゴ・ヴェヌージオ Borgo Venusio の地区に移住させられ、サッシ地区は
無人となった。
(以上「イタリア旅行協会公式ガイド5ナポリ/シチリア」NTT出版(株)参照)
日本で入手したガイドブックにはどれも暗いイメージで、おどろおどろしく
書かれていたサッシだが、実際に歩いてみると、部分的にはそう言った暗い
部分を想像させるところもあるが、思ったより明るく標識やサインもあり気ままに
歩けるようになっていた。
1993年にユネスコの世界文化遺産に登録されたのを機に、整備が進んでいるとのことで
私たちが訪れたとき(2000年6月)も部分的に工事が行われていた。
またガイドブックの印象からは誰も住んでいないように思われたが、最近に
なって住む人が増えているようである。パラボラアンテナがなんとも言えない
コントラストを見せていた(笑)。アトリエやソフトハウスの事務所などにも
使われているようである。また、バールやピッツェリアも数件あり、夜の賑わいは
すごいものがあった。
■サッシについては[週刊朝日百科]世界100都市“世界遺産マテーラを訪ねて
廃墟から再生する洞窟都市/陣内秀信”が詳しそうだが残念ながら品切れのようだ。