2001年9月17日(月)晴のち曇り

さぁ、いよいよ初めての街アンコーナへ。列車はリミニを過ぎたころからアドリア海の海岸線を走る。ときには海に近すぎて怖いくらい。この向こうはクロアチアなんだなぁ。ボローニャの駅で買ったパニーノにかぶりつきながら視線を走らせる。そうそう、ボローニャの駅にはその場でプロシュットやコッパをスライスしてパンにはさんでくれるお店がありました。Ovest(西)側、バールの一角です。
そんなことを思い出しながらのんびり列車の旅を楽しむ。少し空模様があやしい。雨になるのだろうか。いよいよ前方にアンコーナらしき街が見えてくる。少し海に飛び出したところ。マルケ州はあまり食べ物が美味しくないと聞いたけれどその噂は本当なのか。東京で知り合ったルチアーノさんには無事会えるだろうか。

そんなことを考えていたら列車がアンコーナに到着。駅を出てタクシーに乗る。お天気が悪いせいか少し暗い印象。写真は途中の駅「マロッタ」。ロッタちゃんに似ていると言われるので記念に(笑)


2001年9月18日(火) 晴

一夜明けたらお天気も回復、再び快晴。 昨日は暗く感じたアンコーナの街も太陽が出た今日は印象も一転。まずは丘の上にあるドゥオモへ向かう。街と海を一望出来る場所に立派な建物が。湾にはクロアチアやギリシャへ向かうフェリーが停泊している。

いったんホテルへ戻るとルチアーノさんから伝言あり。折り返し連絡を取ってみる。急なナポリ出張でどうやら会えないらしい。残念だけど、近郊のお勧めを聞いて東京での再会を約束して電話をおく。明日はお勧めのひとつ、ヌマーナへ行ってみよう。

夕食はトラットリアLa Morettaへ。地元の白ワインと共にやはり海のモノをいただく。う〜む、美味しい。誰だマルケが美味しくないなんて言ったのは。確かにお店の数は少ないけれど。ここはワインもかなり置いてある。マルケのワインはどれもリーズナブルなものだが、ワインラックにサッシカイアやガヤも。私もサッシカイアを持っているよとカメリエーレに話すと、「何年ものだい?」って。気になるみたい。「82年と92年を持っているの。」とちょっと自慢をする(笑) そう言えば92年のサッシカイアはイタリアで仲良くなったお店の人に分けてもらったんだ。あれは何年前のことだっけ。あのおじさんも元気かなぁ、などとしみじみしながらアンコーナの夜はふける。


2001年9月19日(水) 晴

プルマンに乗りヌマーナへ。イタリアは市外や長距離を走るバスはpullmanと言って青い車体なのでわかりやすい。アンコーナの街を抜け美しい丘陵地帯の尾根を走る。イタリアらしいのどかな風景が広がる。40分ほどでヌマーナの街へ。海岸近くでバスを降りる。人影こそ少ないものの、まだ夏の陽射しを感じる。海岸は砂浜ではなくて石浜。きれいな石が無数にちらばる。これはお土産にしなくちゃとせっせときれいな石を拾うワタシ(笑)

小高いところに可愛らしい家が並ぶヌマーナの町。さっそく美味しそうな匂いがただよってくるトラットリアDa Alvaroで昼食。サイトの写真は気取った感じのお店に写っているけど、実際はもっと親しみやすいお店です。料理のボリュームも結構あるし。大満足でお店を出て、帰りのバスを待つ。こんな風に近郊に足を延ばして美味しいものを食べるのもイタリアの楽しみ。


2001年9月20日(木)  晴

ルチアーノさんのもう一つのお勧め、ポルトノーヴォへ行こうと思ったけれど、なんとバスが夏の間だけらしい。仕方がないのでその代わりに列車でペーサロへ。こちらも海沿いの町。でも海岸は石浜じゃなくて砂浜。セーターを着ている人がいるかと思うと、砂浜で水着の人もいて夏と秋のせめぎ合いという風情。

今日もお昼をゆっくり食べて町を気ままに散策して、という一日。あ〜、本当にのんびりするなぁ。でもこの気ままな旅ももう少しで終わり。明日はローマに戻って一泊。次の日には東京に戻る飛行機に。楽しい日々はあっと言う間です。今回は滞在中に信じられないようなニュースが飛び込んで来たけれど、それ以外はいつもの旅と同じ。地元で取れた食材、手をかけた料理、そして地元のワイン。それを誇りに思う料理人やカメリエーレたち。そんな人たちとの一期一会の出会いを楽しみながら、自然の贈り物に心から感謝をし、ときにはカルチョに熱くなり過ごす。これからも、こんな時間が持てる程度にお金を稼いで、イタリア語をがんばって、健康でいよう。そしてまた大好きなイタリアへ来よう。ひとつだけ心残りは土曜日にアンコーナで行われる「ミス・グランプリ」(笑)、なぜかスポンサーはコロナビール。舞台は着々と出来つつありました。